症例
妊娠16週で完全破水した後妊娠継続し生児を得た1例
荒井 貴子
1
,
房 正規
1
,
奥野 雅代
1
,
山田 愛
1
,
山田 隆
1
,
太田 岳人
1
T. Arai
1
,
M. Bou
1
,
M. Okuno
1
,
A. Yamada
1
,
T. Yamada
1
,
T. Oota
1
1加古川中央市民病院
pp.1503-1508
発行日 2019年11月1日
Published Date 2019/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001100
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妊娠16週で完全破水し,その後妊娠継続し生児を得た症例を経験した。症例は32歳,特に既往のない3妊3産婦。妊娠16週で他院にて完全破水と診断され,24週で当院受診となった。26週まで妊娠継続し,絨毛膜羊膜炎の疑いで帝王切開にて出生となった。児は長期破水にもかかわらず蘇生に反応し,DLS(dry lung syndrome)の診断となりNICUにて集中治療を行い,日齢117に退院し,その後生後半年まで在宅酸素療法を要した。胎盤所見では明らかな絨毛膜羊膜炎の所見を認めなかった。22週未満の完全破水の場合,その後の妊娠継続も含め治療には難渋するケースが多いが,本症例の経験から感染のコントロール,羊水量の程度により児の予後が期待できる場合もあることがわかった。
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