症例
妊娠16週で診断された外脳症の1例
増崎 英明
1
,
鮫島 哲郎
1
,
山辺 徹
2
Hideaki Masuzaki
1
,
Tetsuro Samejima
1
,
Tooru Yamabe
2
1北九州市立八幡病院産婦人科
2長崎大学医学部産科婦人科学教室
pp.55-58
発行日 1987年1月10日
Published Date 1987/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207528
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外脳症exencephalyとは,脳組織は存在するが,頭蓋冠を有しない先天奇形である。在胎期間の短い動物胎仔では比較的高率にみられるが,ヒトではまれな疾患といわれている。その理由として,外脳症の露出した脳組織が羊水中で損傷を受け,胎内で無脳児に移行するためと考えられる。
最近,産科診療で超音波断層法が汎用されるようになり,また,画像処理能力も向上して,胎児奇形の出生前診断に関する報告も少なくない。たとえば,無脳症については妊娠初期から診断可能といわれる。しかし,外脳症に関する報告は少ない。
私どもは,妊娠12週で児頭の異常に気付き,妊娠16週で外脳症と診断された症例を経験したので,文献的考察を加えて報告する。
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