症例
MRIが診断に有効であり妊娠27週4日で生児を得た頸管妊娠の1例
竹内 久清
1
,
藤脇 伸一郎
1
,
斉藤 寿一郎
1
,
飯田 智博
1
,
荻原 哲夫
1
,
海老原 肇
1
,
林 和彦
1
,
品川 俊人
2
1聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院周産期センター
2聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院病理部
pp.1053-1056
発行日 1994年8月10日
Published Date 1994/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901864
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頸管妊娠は,ほとんど妊娠初期に流産となり中期以降まで持続し生児を得ることはきわめてまれである.経験した症例は35歳2妊1産の看護婦で,妊娠22週3日に近医より前置胎盤の診断で出血のため搬送となった.31歳のとき前置胎盤の既往がある.子宮は成人頭大で軟,子宮下部が膨隆し瓢箪型を呈していた.超音波断層法で胎盤は前壁付着,全前置胎盤、頸管の拡張が観察された,本症のMRIは本邦初の試みであるが,胎盤の頸管内陥入および頸部描出の不明により頸管妊娠と判断した,妊娠27週4日に出血増量,子宮収縮増強し緊急帝切施行,女児892gApgar score 7の生産だった.胎盤は子宮下部から頸部に強固に癒着,剥離後噴水状大量強出血をきたした.内子宮口付近は全周性に羊膜状に菲薄化を示した.子宮頸部の病理組織像で胎盤付着部位に頸管腺の存在を認めた.Rubinの頸管妊娠4条件はすべて満たした.患者は経過順調で術後23日目に,児は日齢117日,2,236gで退院した.
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