原著
卵巣子宮内膜症性囊胞を伴う骨盤腹膜炎70症例の後方視的検討
茂木 一将
1
,
長船 綾子
2
,
黒田 啓太
2
,
花谷 茉也
2
,
服部 惠
2
,
小林 祐子
2
,
可世木 聡
2
,
松井 純子
2
,
梅津 朋和
2
K. Mogi
1
,
A. Osafune
2
,
K. Kuroda
2
,
M. Hanatani
2
,
K. Hattori
2
,
Y. Kobayashi
2
,
S. Kaseki
2
,
J. Matsui
2
,
T. Umezu
2
1愛知県がんセンター婦人科
2医療法人豊田会刈谷豊田総合病院産婦人科
pp.1473-1479
発行日 2019年11月1日
Published Date 2019/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001092
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卵巣内膜症性囊胞を伴った骨盤腹膜炎では抗菌薬治療を行うが,留膿症,膿瘍を伴う症例や治療抵抗性の症例では外科的治療が必要となる。最大囊胞径が5cm未満(28例)と5cm以上(42例)の2群間で,保存治療のみで治癒した症例の割合に有意差を認め,5cm以上の症例では43.6%で外科的治療を要した。外科的治療を要した25症例のうち,22例で腹腔鏡下手術を実施した。ドレナージが困難な症例であっても,日常診療で高度癒着を伴う子宮内膜症に対して腹腔鏡下手術を実施している施設では,子宮内膜症性囊胞を伴った骨盤腹膜炎に対しての腹腔鏡下手術は安全に実施できると考えられた。
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