診療
帝王切開において膀胱子宮窩腹膜を縫合した群と無縫合で癒着防止材を使用した群で次回帝王切開時の癒着の程度は異なるか
五十嵐 なつみ
1
,
髙橋 和江
1
,
軽部 裕子
1
,
福田 淳
1
,
高橋 道
1
N. Igarashi
1
,
K. Takahashi
1
,
Y. Karube
1
,
J. Fukuda
1
,
O. Takahashi
1
1市立秋田総合病院産婦人科
pp.1481-1483
発行日 2019年11月1日
Published Date 2019/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001094
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近年,帝王切開の件数は増加傾向にあり,子宮筋層の瘢痕や癒着をできるだけ減少させることが重要な課題である。今回,われわれは帝王切開において癒着防止材使用の有無で癒着の程度に差があるか検討した。当院で2011年1月~2019年3月に施行した帝王切開例全455例中,初回も当院で帝王切開を施行,帝王切開時に絨毛膜羊膜炎(CAM)などの炎症がなかった,帝王切開以外に開腹手術既往がない,を条件とした2回目帝王切開例を対象とした。そのうち,初回手術で膀胱子宮窩腹膜を縫合した群と無縫合で癒着防止材を使用した群で,なんらかの癒着のあった症例の頻度を比較すると両群で有意な差はみられなかったが,膀胱腹膜挙上と子宮・付属器周囲の癒着に関しては癒着防止材が有用である可能性が示唆された。
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