増刊号 産婦人科処方のすべて─すぐに使える実践ガイド
婦人科編
I 婦人科感染症・類縁疾患
骨盤内感染症―子宮内膜炎/子宮付属器炎/骨盤腹膜炎
坂本 尚徳
1
,
深澤 一雄
1
1獨協医科大学産婦人科
pp.32-34
発行日 2014年4月20日
Published Date 2014/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409103662
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疾患の概要
骨盤内感染症と骨盤内炎症性疾患(pelvic inflammatory disease : PID)はほぼ同義語として使用されている.女性ではその解剖学的構造により,女性性器下部(腟,頸管)の感染が上行性に進展して子宮内膜に波及し子宮内膜炎を起こし,さらに腹腔内に至り付属器炎から骨盤腹膜炎が生じる.女性の急性腹症で子宮頸部可動痛,子宮や付属器の圧痛と炎症,感染の検査所見や発熱があればPIDとして成立するが,重症化すればDouglas窩膿瘍をはじめとする膿瘍形成,肝周囲炎(Fitz-Fugh Curtis症候群),敗血症性ショックなどへ進展することもあり,適切な診断と治療が必要である.
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