特集 産婦人科診療decision makingのためのMRI・CT
Ⅵ.胎盤・妊娠関連
5)胎児MRI(MR fetography)
-a.甲状腺腫
室本 仁
1
,
小澤 克典
1
,
杉林 里佳
1
,
和田 誠司
1
,
左合 治彦
1
J. Muromoto
1
,
K. Ozawa
1
,
R. Sugibayashi
1
,
S. Wada
1
,
H. Sagou
1
1国立成育医療研究センター周産期・母性診療センター胎児診療科
pp.954-957
発行日 2019年6月30日
Published Date 2019/6/30
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000949
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患者設定 妊婦は35歳,1経産。家族内に甲状腺疾患の既往なし。妊娠28週に胎児甲状腺腫を疑われ当院へ紹介受診。今回の妊娠前に子宮卵管造影を施行されていた。超音波検査で胎児頸部前面に甲状腺腫を疑う像を認めた。母体に抗甲状腺抗体は検出されなかった。臍帯穿刺を行い胎児のTSH高値,fT4低値を確認し胎児甲状腺機能低下症による甲状腺腫と診断し,羊水腔へのレボチロキシン投与治療を行った。治療開始後,羊水過多は改善したが妊娠37週に胎児MRIを施行し上気道の評価,胎位の確認を行った(画像の症例は実際,出生後特別な蘇生を必要とせず,母体が使用した造影剤による甲状腺機能低下症と診断された)。
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