特集 発生から紐解く 胎児超音波診断アトラス [Web動画付]
第4章 心臓以外の超音波検査
6.胸部の異常
-b.先天性横隔膜ヘルニア
小澤 克典
1
,
室本 仁
1
,
杉林 里佳
1
,
和田 誠司
1
,
左合 治彦
1
K. Ozawa
1
,
J. Muromoto
1
,
R. Sugibayashi
1
,
S. Wada
1
,
H. Sago
1
1国立成育医療研究センター胎児診療科
pp.1454-1457
発行日 2020年11月30日
Published Date 2020/11/30
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001526
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先天性横隔膜ヘルニアは約2,500出生に1人の頻度でみられる。左側が右側より多く,稀に両側もある。左側の横隔膜ヘルニアは胃が胸腔に入り心臓が右側に偏位することが多いため,胎児超音波による出生前診断が比較的容易である。予後は横隔膜の欠損の大きさと合併疾患に大きく影響を受ける。横隔膜の欠損が大きいと肝臓が胸腔に入り,肺が強い圧排を受けるため肺低形成を起こす。また,先天性横隔膜ヘルニアの約30〜50%に合併疾患があり,心疾患や染色体異常,遺伝子疾患は生命予後や神経学的予後を左右する。肺が強く圧排される重症の横隔膜ヘルニアの生存率は低いため,肺の低形成を予防する胎児鏡手術が開始された。
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