症例
乳癌を合併した卵巣顆粒膜細胞腫の1例
-―エストロゲンに依存しない遺伝子異常による合併の可能性―
近藤 壯
1
,
佐々木 博正
1
,
桑原 陽祐
1
,
坂野 陽通
1
,
松山 純
1
,
中尾 光資郎
1
,
平吹 信弥
1
,
干場 勉
1
T. Kondo
1
,
H. Sasaki
1
,
Y. Kuwahara
1
,
H. Banno
1
,
J. Matsuyama
1
,
K. Nakao
1
,
S. Hirabuki
1
,
T. Hoshiba
1
1石川県立中央病院産婦人科
pp.923-927
発行日 2018年8月1日
Published Date 2018/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000535
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顆粒膜細胞腫における乳癌の年齢別罹患率は3.22~3.3倍と上昇するが,合併する原因は不明である。症例は50歳女性,血清エストロゲン値が閉経値であり,成人型顆粒膜細胞腫IC2期であった。卵巣腫瘍術後の胸部CTにて右乳癌を認めた。顆粒膜細胞腫の比較ゲノムハイブリダイゼーションとトランスクリプトーム解析により,FOXL2のほかに新規候補ドライバー遺伝子25個が近年同定されている。このなかで7個の遺伝子には乳癌と関連性があり,遺伝子異常により合併する可能性がある。今後,分子生物学的解析が進み,本報告が病因を解明する一助となれば意義深い。
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