症例研究
乳幼兒の卵巣顆粒膜細胞腫
藤井 吉助
1
1昭和醫科大學産婦人科
pp.488-492
発行日 1950年12月10日
Published Date 1950/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200420
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私は昭和24年6月6日昭和醫科大學に於いて,生後6ヵ月の乳兒の卵巣顆粒膜細胞腫を發見した。本例は世界文獻上,第二番の若年者の卵巣顆粒膜細胞腫であり,臨牀上の所見から,略々卵巣顆粒膜細胞腫の診斷を下すことが出來た。手術前後の腟脂膏研究によつて,著明なエストロゲン作用が證明され,又尿中エストロン量を測定して幼女には見られない多量のホルモン量が證明された。且つ剔出腫瘍については詳細な組織的檢査が行われ確實に卵巣顆粒膜細胞腫と診斷された。なお若年者の効果的手術的治驗例である。
以上の通り本例は極めて興味あるものであるから,本年四月,日本産科婦人科學會總會に於いて研究協力者である樋口教授と連名で,私は之を發表した。又これに關する要點を産婦人科の世界第2卷第2號に發表した。
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