診療
感情と胎児行動の検討
丸茂 元三
1
,
庄子 巳菜美
1
,
斎藤 花梨
1
,
阿部 一也
2
,
大橋 浩文
2
,
石田 友彦
2
G. Marumo
1
,
M. Shoji
1
,
K. Saito
1
,
K. Abe
2
,
H. Ohashi
2
,
T. Isida
2
1丸茂レディースクリニック
2板橋中央総合病院産婦人科
pp.901-908
発行日 2018年8月1日
Published Date 2018/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000530
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今回われわれは,胎児の行動が母親の感情によって変化するかについて検討した。出産直後の褥婦649名に,妊娠中に母親の感情によって生じる胎児反応について,アンケート調査を行った。妊娠中いろいろな感情に対して胎児が「よく動いた」または「動かなくなった」を胎児反応あり「わからない」を胎児反応なしとした。胎児反応ありの割合は,楽しいときが,ほかの感情(悲しいとき,怒ったとき,緊張したとき)より有意に高く,胎児反応ありのなかで「よく動いた」割合も,楽しいときは97%で,ほとんどよく動いたのに対して,悲しいときは51%,怒ったときは41%,緊張したときは26%と減少し動かなくなっていた。赤ちゃんは胎内にいるときから母親の感情を敏感に察知している可能性が示唆された。
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