連載 かかわるチカラ―糖尿病療養指導の現場学・11
ネガティブな感情を行動に置き換える
東 めぐみ
1
Megumi Higashi
1
1駿河台日本大学病院
pp.87-95
発行日 2009年2月1日
Published Date 2009/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661101394
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事例 食事やインスリン療法の必要性が実感できない雪乃さん
インスリンが打てなくなって、「もういいや」と思った
雪乃さんは保育学を専攻している大学生である。中学生のときに2型糖尿病を発症し、3年前にインスリン療法を導入した。現在、ヒューマログ50ミックス3回法を行い、アマリール・メルビンを内服している。
大学生になってから血糖のコントロールが悪化し、入院を繰り返していた。小児科医の浦添先生から依頼があり、小児病棟の看護師と一緒にかかわることになった。話を聞いてみると、インスリンが打てない状況が続き、「もういいや」と思ったのだという。HbA1cは12%であった。雪乃さんの父親は糖尿病性の腎不全により透析を行っており、家では父親と口をきかない状況であった。
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