診療
日本人産婦における自然分娩の頸管開大曲線
印出 佑介
1
,
中井 章人
1
,
関口 敦子
1
,
林 昌子
1
,
竹下 俊行
2
Y. Inde
1
,
A. Nakai
1
,
A. Sekiguchi
1
,
M. Hayashi
1
,
T. Takeshita
2
1日本医科大学多摩永山病院女性診療科・産科
2日本医科大学付属病院女性診療科・産科
pp.669-677
発行日 2018年6月1日
Published Date 2018/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000466
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
過去の頸管開大曲線は異常分娩経過や医療介入症例を多く含むため,これらを含まない自然分娩の頸管開大曲線を作成した。分娩時年齢20~39歳,かつ非妊時体格指数30未満の日本人産婦3,172人の産科診療録を後方視的に調査した。正期産,単胎,頭位で,新生児期に異常な転帰のない,胎齢相当出生体重の生児を自然分娩した症例を選択した。本研究の頸管開大曲線は活動期の始まりにゆるやかな加速期のカーブを描き,加速期は初産婦で6cm,経産婦で5cmであった。初産婦で6~7cmへの進行に3時間以上,経産婦で5~6cmへの進行に2時間以上かかった。活動期の初産婦は1時間未満,経産婦は30分未満で全開大した。活動期の終わりに減速期を認めなかった。以上の結果は分娩進行中の医療介入の機会を減らすための有用な情報である可能性がある。
Copyright © 2018, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.