連載 OBSTETRIC NEWS
早すぎる帝王切開決断〜分娩進行停止のための帝王切開を行ったときの頸管開大
武久 徹
pp.1422-1423
発行日 1999年11月10日
Published Date 1999/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903843
- 有料閲覧
- 文献概要
帝王切開(帝切)率を減少させるために,前回帝切例の経腟分娩(VBAC)の採用が検討される.しかし,緊急帝切を必ずしも迅速にできるとは限らない施設でのVBACの安全性が問題となっており,帝切率を減少させるうえで比較的安全な介入方法は,難産による帝切を極力回避することである.1996年の米国における389万分娩で,難産の合併は2.8%と報告されている(NCHS Monthly Vital Statstics Report.vol.46, no.11(suppl),June 30, 1998).とくに米国では,難産が原因となる帝切率が異常に高いことが明らかにされている(表1).
さらにFrigolettoら(ハーバード大学)は,積極的分娩介入を行った妊婦1,934例(ロウリスク妊娠,頭位,自然陣痛発来)を対象(NEJM 333:745,1995)に,ダブリン(アイルランド)の積極的分娩介入と比較した.ハーバード大学における帝切率は10.9%(通常の分娩管理群では11.5%)であったが,分娩第1期に行った帝切率は差がなかったが,分娩第2期に行った帝切はハーバード大学では有意に高率であったことを明らかにしている(表2)(Frigoletto FD:私信,1998年).
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.