FOCUS
欧米における腹腔内温熱化学療法(HIPEC)の現状
矢野 秀朗
1,2
,
合田 良政
2
,
國土 典宏
3
Hideaki YANO
1,2
1University Hospital Southampton, Southampton, UK
2国立国際医療研究センター病院外科・大腸肛門外科
3国立国際医療研究センター
1University Hospital Southampton, Southampton, UK
pp.1212-1214
発行日 2020年10月20日
Published Date 2020/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407213086
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はじめに
腹腔内温熱化学療法(hyperthermic intraperitoneal chemotherapy:HIPEC,ハイペックと発音)は,様々な腹膜悪性疾患〔peritoneal(surface)malignancy〕に対する手術の際に,加熱した抗がん剤を直接腹腔内に還流させる手技をいう.基本的には,肉眼的治癒切除(=腹膜切除を伴う完全減量切除)に引き続いて顕微鏡的病変のコントロールを目的に行われ,これまで様々な固形腫瘍の腹膜病変に対して予後を向上させることが示されてきた.治療意図として,治癒(curative intent)だけでなく,姑息(症状緩和)(palliative intent),予防(prophylactic intent)においても有効であることが示唆されてきた.
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