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腹腔内温熱化学療法(HIPEC) 1.腹腔内温熱化学療法(HIPEC)とは?
-—HIPECの適応,概要など—
吉田 好雄
1
,
津吉 秀昭
1
,
井上 大輔
1
,
黒川 哲司
1
,
二川 佳央
2
Y. Yoshida
1
,
H. Tsuyoshi
1
,
D. Inoue
1
,
T. Kurokawa
1
,
Y. Nikawa
2
1福井大学医学部産科婦人科
2国士舘大学理工学部理工学科
pp.639-649
発行日 2020年6月1日
Published Date 2020/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001306
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腹腔内温熱化学療法(HIPEC)は,腫瘍減量手術後,抗がん剤入り溶液を41〜43℃に加温した状態で腹腔内に投与し,一定時間その状態を維持してより効率的な薬剤の浸達を促進させ,治療効果を上げようとする方法である。HIPECの進行性卵巣癌患者への有用性を検討したM06OVH-OVHIPEC試験では,有意に予後を改善し(p=0.003),また,有害事象の有意な増加も認められなかったとNew England Journal of Medicineに報告された。しかしながら,HIPECに関しては,手技,術後合併症,有効性など解決しなくてはならない問題は多岐にわたり,わが国で実施している施設は限られているのが現状である。
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