特集 エキスパートの内視鏡手術―コツとピットフォールⅠ
4.子宮筋腫・粘膜下筋腫:子宮鏡下核出術
林 保良
1
,
中田 さくら
1
Y. Hayashi
1
,
S. Nakada
1
1川崎市立川崎病院産科・婦人科
pp.267-274
発行日 2018年3月1日
Published Date 2018/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000366
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粘膜下筋腫をレゼクトスコープで切除する方法(TCR)は,開腹が不要なため患者の侵襲が少ない手術である。しかし,多くの術者がレゼクトスコープの切断ループを用いて粘膜下筋腫を上から切り,筋腫を少しずつ切除する。この方法では手術の時間が長くなり,灌流液による合併症も発生しやすい。さらに筋腫と筋層の境目が切断電流の熱影響でわかりにくくなるため,切除不完全や子宮穿孔を引き起こしやすくなる。われわれが行うTCRの方法は,開腹や腹腔鏡下の筋腫核出方法と同じように剝離ループで筋腫を筋層から剝離し,切断ループと新しい筋腫鉗子の併用で筋腫を切除する。この術式は1回の手術で筋腫を完全に除去し,手術時間は短縮され合併症も少ないことが特徴である。
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