今月の臨床 子宮筋腫の治療―大きく広がった選択の幅
内視鏡下手術
3.子宮鏡下筋腫核出術
村上 節
1
1東北大学医学部産婦人科
pp.24-27
発行日 2008年1月10日
Published Date 2008/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101638
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はじめに
粘膜下に存在する子宮筋腫は,たった1つの比較的小さなものでも過多月経や不妊症などの症状を容易に呈するため,治療の対象となりやすい.その治療法としては,本稿で述べる子宮鏡のみならず,他稿で取り上げられている腹腔鏡下での摘出や,UAE,FUSなどの方法も選択される可能性がある.したがって,本特集のテーマが示すように粘膜下子宮筋腫の治療は確かに選択の幅が広がっているといえる.
こうした状況のなか,子宮鏡下の筋腫摘出術の特徴は,腹腔鏡下手術のような皮膚や子宮漿膜面の切開を必要とせず,UAEやFUSなどとは異なり筋腫を取り去ることができるという点にある.したがって,子宮鏡下の筋腫摘出術は,過多月経などの症状の改善のみならず将来の妊孕性の温存をはかるケースで特に有用と考えられる.
しかしながら,その利点は,重篤な偶発症や合併症が生じた場合には一気に失われてしまうことになる.本稿では,子宮鏡下筋腫核出術を安全に施行するための方策について述べる.
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