特集 エキスパートの内視鏡手術―コツとピットフォールⅠ
5.子宮体がん:腹腔鏡下子宮体がん手術
田中 良道
1
,
寺井 義人
1
,
寺田 信一
1
,
古形 祐平
1
,
芦原 敬允
1
,
藤原 聡枝
1
,
田中 智人
1
,
恒遠 啓示
1
,
大道 正英
1
Y. Tanaka
1
,
Y. Terai
1
,
S. Terada
1
,
Y. Kogata
1
,
K. Ashihara
1
,
S. Fujiwara
1
,
T. Tanaka
1
,
S. Tsunetoh
1
,
M. Ohmichi
1
1大阪医科大学産婦人科
pp.275-280
発行日 2018年3月1日
Published Date 2018/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000367
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2014年4月に早期子宮体がんに対する腹腔鏡下子宮体がん手術が保険収載となり,今後ますますの普及が予想される。摘出すべき対象は開腹手術と同様であるが,腹腔鏡手術の特性をよく理解して手術に臨む必要がある。腹腔鏡手術は頭低位で気腹下,鉗子操作のみで手術を行う。開腹手術と比較すると拡大視野に優れ,骨盤深達度が高いといった長所を持つ反面,触覚に乏しく,集簇結紮が苦手といった短所も存在する。またアプローチは斜め方向からとなり位置関係を誤認しやすい。特にリンパ節郭清時の尿管・動静脈・神経の位置関係の把握には注意を要する。合併症では,トロカー挿入時の臓器損傷や出血,気腹に伴う皮下気腫,体位固定に伴う神経障害やコンパートメント症候群などの合併症に注意が必要となる。それらを踏まえた上で,本稿では当科で施行している腹腔鏡下子宮体がん手術についてその実際とコツについて述べたい。
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