臨床経験
1PN 胚由来胚盤胞におけるarray CGH 法による染色体異数性の解析と移植後の妊娠成績の検討
泉 陽子
1
,
中西 桂子
1
,
木村 文則
2
,
石河 顕子
2
,
平田 貴美子
2
,
村上 節
2
,
後藤 栄
1
1後藤レディースクリニック
2滋賀医科大学産科婦人科学講座
pp.1885-1891
発行日 2017年12月1日
Published Date 2017/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000265
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受精判定時に1 前核しか認めない胚(1PN 胚)は1 倍体である可能性があるが,胚盤胞に発生すれば2 倍体である可能性が高くなり,移植に用いることができるとの報告がある。しかし,1PN 胚の染色体数的異常に関する報告はほとんどない。そこで本研究では,1PN 由来の胚盤胞の染色体異数性に着目し,array CGH 法にて解析を行った。その結果,1PN 胚由来の胚盤胞の染色体数的異常率は31.3%であり,2PN 胚由来胚盤胞と有意差は認めなかった。また,1PN 胚由来の凍結融解胚盤胞を1 個移植した周期の臨床妊娠率と流産率は2PN 胚由来胚盤胞を1 個移植した場合と比較し,有意差はなかった。1PN 胚由来の出生児9 例に異常は認めなかった。胚盤胞まで発生した1PN 胚の染色体異数性率は2PN 由来胚盤胞と差はなく,移植に用いることが可能であることが示唆された。
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