臨床経験
凍結融解後に人為的収縮操作を加えた胚盤胞の収縮度の違いによる妊娠成績の検討
中楯 真朗
1
,
藤村 佳子
1
,
荒木 泰行
2
,
上村 るり子
1
,
山口 貴史
1
,
久保 祐子
1
,
佐藤 雄一
1
M. Nakatate
1
,
Y. Fujimura
1
,
Y. Araki
2
,
R. Uemura
1
,
T. Yamaguchi
1
,
Y. Kubo
1
,
Y. Sato
1
1医療法人舘出張佐藤会高崎ARTクリニック
2群馬パース大学医療技術学部検査技術学科
pp.847-852
発行日 2023年8月1日
Published Date 2023/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002647
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近年,体外受精における凍結融解胚移植周期の割合が高まっていて,凍結融解胚移植後の妊娠成績の向上が以前にも増して重要になってきている。移植成績を向上させる目的で,凍結胚盤胞の融解後から移植までに生じた自然収縮と妊娠成績を調査した報告はあるものの,融解直後の収縮に注目した検討は少ない。そこで本研究は融解直後に自然収縮した胚盤胞の臨床妊娠成績と,融解直後に自然収縮が認められなかった胚盤胞に対して人為的収縮操作を加えた場合の収縮度と臨床妊娠成績についてそれぞれ後方視的に検討した。
結果,凍結融解直後に自然収縮した胚盤胞は収縮していなかった胚盤胞に比べて妊娠率が低い傾向にあった。また,凍結融解直後に人為的操作により強収縮した胚盤胞は妊娠率が低い傾向にあった。本検討により融解後の胚盤胞の人為的操作による収縮度が妊娠成績を予想する因子の1つとなりうる可能性が示唆された。
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