特集 婦人科がんの予防update
9. 家族性卵巣癌とその予防
西野 幸治
1
,
関根 正幸
2
,
榎本 隆之
2
1新潟大学大学院医歯学総合研究科家族性・遺伝性腫瘍学講座(産科婦人科)
2同 分子細胞医学専攻遺伝子制御講座生殖器官制御分野(産科婦人科)
pp.1707-1712
発行日 2017年11月1日
Published Date 2017/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000230
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遺伝性乳癌卵巣癌(HBOC)は,BRCA1/2 遺伝子の生殖細胞系列変異により乳癌・卵巣癌などの悪性腫瘍に易罹患性を示す遺伝性腫瘍症候群である。BRCA 変異キャリアへの対応として,乳癌に対してはマンモグラフィやMRI などによるサーベイランスの有用性が確立しているが,卵巣癌を早期発見できるサーベイランスは存在せず,予防的卵巣卵管切除のみが唯一推奨される予防的方策である。本稿では,HBOC 卵巣癌の予防〜早期発見に関する現在までの知見を整理し,BRCA 変異キャリアの卵巣がん予防における対策について考察する。
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