特集 婦人科がんの予防update
10. 婦人科良性疾患の手術における付属器摘出の健康への影響
高橋 一広
1
1あかねヶ丘高橋レディスクリニック(院長)
pp.1713-1718
発行日 2017年11月1日
Published Date 2017/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000231
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婦人科良性疾患手術時に将来的な卵巣癌予防目的で行われる両側付属器摘出術により,明らかにその後の卵巣癌,乳癌の発症が減少する。しかし,両側付属器摘出は,自然閉経に比較して更年期症状の頻度が増加するだけでなく,冠動脈疾患の発症リスク増加,認知機能の低下,および生命予後にも悪影響を及ぼすことが明らかになっている。多くの報告から,卵巣がん発症リスクの高い場合を除き,総合的に両側付属器摘出のメリットは少ないと考えられている。少なくとも50 歳未満で両側付属器摘出術を行った場合はホルモン補充療法を行うことで,手術後に生じるリスクを軽減することができる。
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