今月の臨床 遺伝子診療の最前線─着床前,胎児から婦人科がんまで
婦人科腫瘍
遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)診療の最前線─①HBOCの基礎知識
西野 幸治
1
,
関根 正幸
2
,
榎本 隆之
2
1新潟大学大学院医歯学総合研究科家族性・遺伝性腫瘍学講座(産科婦人科)
2新潟大学大学院医歯学総合研究科分子細胞医学専攻遺伝子制御講座生殖器官制御分野(産科婦人科)
pp.1024-1029
発行日 2017年11月10日
Published Date 2017/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409209185
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●遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)は,乳がんの約5%,卵巣がんの約10〜15%を占め,決して珍しい疾患ではない.
●適切な拾い上げ〜カウンセリング〜BRCA検査によりHBOCを診断することは,HBOC患者・家系員に対するサーベイランスや予防手術の提供を可能とする.
●HBOC卵巣がんは進行期の高異型度漿液性癌が多いが,プラチナ感受性が高く予後が良い傾向にあり,PARP阻害薬の効果が期待できる.
●PARP阻害薬の使用も視野に入れ,HBOCに対するカウンセリングやBRCA検査を行える体制,もしくは検査可能な近隣施設との連携体制を整える必要がある.
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