増刊号 産婦人科処方のすべて─すぐに使える実践ガイド
婦人科編
IV 腫瘍
子宮体がんの進行・再発例への化学療法
安達 将隆
1
,
阪埜 浩司
1
1慶應義塾大学医学部産婦人科学教室
pp.186-187
発行日 2014年4月20日
Published Date 2014/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409103708
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適応と治療方針
進行性子宮体がんでは,症例ごとに治療方針を検討する必要がある.進行症例であっても手術可能症例であれば,予後改善をめざした集学的治療の1つとして腫瘍量を可及的に減量させる目的や出血制御などの症状緩和のための姑息的治療として,子宮摘出ならびに腫瘍減量術を行い,追加治療として化学療法や放射線療法を行うことがある.再発がんの場合は,肺や腟の孤発転移であれば手術療法や放射線療法も検討されるが,腹膜播種や遠隔転移を伴うことが多く,化学療法が選択されることもある.また局所再発でも,年齢や全身状態によっては手術が不可能な症例が少なくない.したがって,子宮体がんの進行・再発例では化学療法が治療の中心になると考えられる.子宮体がんに対するkey drugはドキソルビシン(アドリアマイシン)であり,シスプラチンとの併用であるAP療法に加え,近年ではタキサン系薬剤との併用を推奨する報告が散見される.
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