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生殖領域 GQ-34 若年がん患者に対する妊孕性温存療法の適用と要件は?
鈴木 由妃
1
,
杉下 陽堂
1
,
鈴木 直
1
1聖マリアンナ医科大学医学部産婦人科学
pp.1579-1587
発行日 2017年10月31日
Published Date 2017/10/31
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000199
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近年,がんサバイバーの増加に伴い,がんサバイバーのQuality of lif e(QOL)の向上を目指す動きが高まっている。特に若年がん患者の場合,化学療法や放射線療法といったがん治療に伴った不可逆的な妊孕性の障害や早発卵巣不全および無精子症といった,妊孕性を喪失する可能性あることが問題となっており,治療開始前の妊孕性温存療法が重要となる。今回,妊孕性温存療法として ① 卵子凍結,② 卵巣組織凍結,③ 精子凍結,④ 精巣組織凍結について解説する。治療開始前の限られた時間のなかで,がん治療の内容や患者の年齢,またパートナーの有無など,各患者の置かれた状況に合わせ,最良の妊孕性温存療法を提供することが,われわれ産婦人科医の責務であると考える。
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