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生殖領域 GQ-29 POI の治療,薬物療法とIVA は?
河村 和弘
1
,
河村 七美
1
1聖マリアンナ医科大学医学部産婦人科学
pp.1537-1543
発行日 2017年10月31日
Published Date 2017/10/31
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000194
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早発卵巣不全(POI)は,40 歳未満の卵巣性無月経により診断される。卵巣内の卵胞が何らかの理由により急激に減少する,または原始卵胞形成不全により生下時からすでに卵胞数が少ないため,卵胞が発育しなくなり閉経する。POI の最も有効な治療法は提供卵子を用いた体外受精胚移植である。自らの卵子で妊娠するために様々な薬物療法が試みられてきたが,その効果は限定的であった。われわれは,卵巣内に残存する体内では発育不能な卵胞に着目し,それを人為的に活性化して発育を誘導する卵胞活性化療法(in vitro activation;IVA)という新たな不妊治療法を開発し,世界初の妊娠・出産例を報告した。本GQ では,POI の病態を解説した上で,POI の不妊治療としての薬物療法とIVA を紹介し,その比較を行った。
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