ガイドラインのすき間を埋める! 臨床医マエストロの技
婦人科領域 GQ-19 挙児希望のある女性で子宮筋腫核出術をどうするか?
小西 郁生
1
1国立病院機構京都医療センター(院長)
pp.1453-1460
発行日 2017年10月31日
Published Date 2017/10/31
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000184
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
挙児希望のある女性の筋腫核出術については,腫瘤が“真に良性の平滑筋腫なのかどうか”をMRI 検査で確認することが大前提となる。良性との確信が得られれば,診療ガイドラインに沿って,患者とよく話し合いながら,手術適応に関する合意を形成していく。症候性の筋腫に対して核出術を行うこと,無症候性の小さな筋腫を経過観察することには異論がない。問題は無症候性でも長径が5〜6 cm を超える場合の対応であり,様々な身体的,社会的状況を十分に勘案しながら,適応と手術時期を考える。手術方法(開腹術か腹腔鏡手術か)の選択については,現在,腹腔鏡手術後に妊娠し子宮破裂や穿通胎盤をきたす頻度が予想以上に高いことが判明しており,十分な注意が必要である。最後に,びまん性子宮平滑筋腫症に対する筋腫核出術について私見を述べたい。
Copyright © 2017, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.