臨床メモ
子宮筋腫核出術
竹内 久弥
1
1順天堂大学産婦人科
pp.489
発行日 1971年5月10日
Published Date 1971/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204414
- 有料閲覧
- 文献概要
子宮筋腫の手術療法として,現在全摘出術が大多数を占めるようになつてきたことはいうまでもない。一方,全摘の卵巣機能や心理面におよぼす影響を重要視し,患者の年齢によつては筋腫核出術を積極的に行なつている者もある。もちろん筋腫核出術の第一の適応は挙児希望の筋腫患者にあり,丁度これ書関する論文が2編発表されたので紹介する。
Loeffler & Noble (J.Obstet.&Gynaec.Brit.Cwlth, 77:167,1970)はLondonのChelsea Hos-pitalで1954年から1962年に至る間に筋腫核出術を施行した180人の患者についてアンケート調査を行なつた。その結果,術後1年以上経過した116例のうち,31例(27%)が再手術により子宮摘出(腟上部切断術3例を含む)をうけ,その間に6例が児を分娩し得た。その他に再度核出術を受けたものが5例(うち3例はその後全摘をされた)あり,結局31%が再手術を受けたことになる。妊娠率については独身女性も含まれるので確かにはいえないが,原発性不妊を適応として核出術を受けた婦人では39%が妊娠し得た。しかし,術後妊娠の38%が流産に終つていることが注目される。
Copyright © 1971, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.