今月の臨床 内視鏡手術—どこまで進んだか
腹腔鏡下手術
1.子宮筋腫核出術
伊熊 健一郎
1
,
子安 保喜
1
,
堀内 功
1
,
西尾 元宏
1
1宝塚市立病院産婦人科
pp.1494-1498
発行日 1998年12月10日
Published Date 1998/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903480
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腹腔鏡による子宮筋腫核出術(laparoscopicmyomectomy:LM)は,患者が切望する子宮機能温存手術として欧米諸国をはじめ1-5),わが国においてもすでに実施されている6-11).しかしLMは①筋腫の核出,②筋層の修復,③筋腫の回収などの独立した3行程の操作が必須である.そのためには器具や器材の整備をはじめとして,術者の熟練した手技の習得,スタッフの育成などが要求される.一方では,本法の利点や有用性を論ずる前に確実性や安全性3,12-17),手術時間や経済性18,19)といった面は避けては通れない課題点でもある.
そのようななか,LMには腹腔鏡下に全手術行程を行おうとする従来法のTLM(total laparos—copic myomectomy)1-11)の他に,腹腔鏡下に補助操作をしたうえで,主な手術操作は4〜5cmの腹壁小切開部から用手的に行おうとするLAM(laparoscopically assisted myomectomy)7,17,21)といった新たな概念も導入され,手術そのものの簡便性にも注目されてきている.
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