特集 将来に備えて胎児環境を整える─ DOHaD を学ぼう─
DOHaDの臨床(胎児):わが国における妊婦の栄養摂取の現状
瀧本 秀美
1
,
田尻下(白井) 怜子
2
1国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 栄養疫学・食育研究部
2東京医科歯科大学生殖機能協関学
pp.979-986
発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000086
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わが国の平均出生体重は1975 年頃の男児3.25 kg,女児3.10 kg をピークに減少傾向を示し,低出生体重児の割合も1975 年での男児4.7%,女児5.5% から,2015年には男児8.4%,女児10.6% と増加している。この背景として,妊娠可能年齢女性に「やせ」の増加や,妊娠期の低栄養の影響が危惧される。妊娠期の適正な栄養摂取の重要性は増しているが,妊婦の栄養摂取状況ではエネルギー摂取量が低く,そのため各栄養素の摂取量も少ない傾向がみられる。われわれの実施した食生活介入研究結果から,「妊産婦のための食事バランスガイド」は食生活改善のツールとして有用と考えられた。
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