特集 早産リスクにどう向き合うか─最近の話題─
プロゲステロン治療による早産予防
林 周作
1
1大阪母子医療センター産科
pp.849-857
発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000058
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プロゲステロン治療は早産予防効果が期待される治療法である。近年のランダム化比較試験では,自然早産既往妊婦に対してはカプロン酸ヒドロキシプロゲステロン筋肉注射,子宮頸管長短縮妊婦に対しては天然プロゲステロン腟内投与が早産を減少させている。そのほかの適応に対する治療や,適応と薬剤の組み合わせを違えた治療の早産予防効果は確立されていない。薬剤種別によって薬理機序が異なり,それが効果の違いにつながっている可能性がある。わが国でも臨床応用されている治療であるが,日本人を対象とした臨床研究は十分とはいえない。
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