特集 子宮収縮抑制薬の長期投与はやめられるのか?―切迫早産管理のエビデンスと実践―
5.早産予防のためのプロゲステロン製剤のエビデンス
中井 章人
1
A. Nakai
1
1日本医科大学産婦人科
pp.703-711
発行日 2022年7月1日
Published Date 2022/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002199
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妊娠の成立・進行とともに子宮容積は増大し,子宮平滑筋は伸展されるが収縮することなく静止状態を保つ。天然型黄体ホルモン(P4)には,子宮平滑筋静止膜電位の維持,子宮収縮抑制作用,抗炎症作用,子宮頸管熟化抑制作用があり,この静止状態の維持に重要な役割を果たす。早産治療は子宮収縮抑制治療から医学的ハイリスクへの予防治療に移行してきた。予防治療のなかでも,P4腟錠は単胎妊娠で自然早産既往か頸管長短縮のいずれかがある場合,最適な治療法となっている。しかし,国内では保険適用がなく,使用には課題も多い。
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