特集 あらためて見直すDown症候群――適切な管理とサポートで よりよい成人期につなげる
発達と生活のサポート――小児科医ができること・知っておきたいこと
18.成人期の診療・支援
竹内 千仙
1
1東京慈恵会医科大学附属病院遺伝診療部
pp.988-994
発行日 2025年9月1日
Published Date 2025/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003582
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Down症候群(DS)の平均寿命の延伸に伴い,成人期の診療と支援の重要性が増している.DSでは成人後も疾患特有の合併症があり,定期的な健康管理が推奨されているが,定期サーベイランス方針が確立されているのは甲状腺疾患などの一部の疾患に限られ,DS特有の精神症状や老年期に必発するAlzheimer病などに対しての診断や治療方針は定まっていない.さらに成人期以降の生活においては,主たる介護者である家族の高齢化,「親なき後」の生活設計の課題があり,就労・社会参加の促進と意思決定支援が求められる.医療と行政の枠組みを越えた多職種連携と本人中心の支援が,DS成人への支援の鍵となる.

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