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特集 成人期・壮年期・老年期の障害福祉領域における作業療法の活用
—成人期(18〜39歳)の障害福祉領域における作業療法①—成人期の社会参加を地域でどのように支えるか?
How to support social participation for adulthood in the community?
西上 忠臣
1
Tadaomi Nishigami
1
1若者活動スペースちゃんくす
pp.1034-1038
発行日 2022年9月15日
Published Date 2022/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203123
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Key Questions
Q1:「困り感」を語りにくい当事者とどのように困り感を共有するか?
Q2:当事者が“やりたいこと”をしていると生じる,周囲との摩擦にどう対応するか?
Q3:地域の支援者へいかに働きかけるか?
はじめに
若者活動スペースちゃんくすが,中学生・高校生〜20代前半の方々が利用する駅前の活動拠点として機能しはじめてから12年が経過している.医療や福祉サービスの枠にとらわれずに若者にかかわりたいという想いから,診断名等はなく,社会生活を営むうえで何らかの生きづらさを感じている方も利用できるようにしたのが特徴である.また,利用者の中には,幼少期から自閉スペクトラム症等の診断名があり,療育を受けてきた方もいる.共に共通しているのは,思春期の方々が何らかの生きづらさを感じており,その中で孤立感を深めている状態にあることだ.
彼ら若い当事者が自分に何が起こっているかがわかりはじめたときに,できるだけ近くにいる存在に私はなりたい.人生は連続性の中で生きている存在であり,病気や障害や生きづらさを感じても,自分という存在を否定し価値を下げるようなことにならないでほしい.OTは,人に焦点を当てるのではなく,作業に焦点を当てて介入を行う専門家である.地域で若者を支援する中で,作業を中心にどのような活動をしてきたか振り返りたい.
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