特集 発達障害への多様な支援~あれが知りたい・これも知りたい~
さまざまな支援の場
成人期発達障害への支援や対応
山本 直毅
1
,
森本 芳郎
1
,
今村 明
1
YAMAMOTO Naoki
1
,
MORIMOTO Yoshiro
1
,
IMAMURA Akira
1
1長崎大学病院地域連携児童思春期精神医学診療部
pp.1148-1151
発行日 2022年7月1日
Published Date 2022/7/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000279
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
近年,自閉スペクトラム症(autism spectrum disorder:ASD)や注意欠如・多動症(attention-deficit/hyperactivity disorder:ADHD)などの神経発達症の子どもや成人が,医療機関を訪れることが増加している。小児科,精神科,いずれの外来においても,神経発達症の子どもの診療にあたる機会があるが,その際には同時に,子どもの親らへの適切な(時には治療的な)対応を求められる場合がある。これは,子どもと似通った神経発達症の特性やそれに起因するさまざまな課題を抱えていると考えられる親が少なくないためである。これまでの報告でも,ASD者の親には広域自閉表現型(broad autism phenotype:BAP)の特徴をもつ者が多いこと1)や,ADHD者の世代間伝達は非常に高率であること2)などが示唆されている。当診療部での具体的な取り組みにも触れながら,成人期の神経発達症者の特徴や支援および対応について,順に述べる。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.