特集 他科の視点・診療連携の観点でみる 母斑・母斑症Ⅱ
診療科ごとに関わりの深い母斑症の診療ポイント
7.泌尿器科の視点(腎血管・腫瘍病変)
浅沼 宏
1
,
武田 利和
1
,
佐藤 温子
1
,
大家 基嗣
1
1慶應義塾大学医学部泌尿器科学教室
pp.378-385
発行日 2025年4月1日
Published Date 2025/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003422
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
母斑症の治療・管理における泌尿器科の視点としては,結節性硬化症(TSC)の腎血管筋脂肪腫(AML)や神経線維腫症1型(NF1)の副腎褐色細胞腫(PCC)などが重要となる.TSCにおけるAMLは腫瘍径が3~4cm以上の場合や5mm以上の動脈瘤を有する場合などに治療が開始される.近年ではmTOR阻害薬エベロリムスが投与され,腫瘍の縮小や動脈瘤破裂の防止に有用であり長期的な安全性も示されている.挙児希望の女性症例や動脈瘤破裂時には腎動脈塞栓術が行われる.NF1におけるPCCは比較的カテコールアミン産生が低いとされるが,治療としては選択的α1遮断薬が投与され,(ロボット支援)腹腔鏡下副腎摘除術が標準治療である.近年では副腎部分切除術が積極的に適用されている.

Copyright © 2025, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.