特集 他科の視点・診療連携の観点でみる 母斑・母斑症Ⅱ
診療科ごとに関わりの深い母斑症の診療ポイント
6.脳神経外科の視点(母斑病に生じる中枢神経系病変)
宇佐美 憲一
1
1埼玉県立小児医療センター脳神経外科
pp.371-377
発行日 2025年4月1日
Published Date 2025/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003421
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母斑病は胎生期の神経外胚葉形成異常により発症し,皮膚と中枢神経系に病変を形成する.神経線維腫症1型(NF1)では視神経路神経膠腫が多く,低悪性度の毛様細胞性星細胞腫が主体であるが,非腫瘍性病変も生じる.神経線維腫症2型(NF2)では両側前庭神経鞘腫が特徴的であり,多発性腫瘍の管理が課題となる.結節性硬化症はmTOR経路異常により皮質結節や上衣下巨細胞性星細胞腫を形成し,難治性てんかんとの関連が強い.Sturge-Weber症候群はGNAQ遺伝子変異により脳軟膜血管奇形が生じ,てんかんや脳卒中様エピソードを引き起こす.神経皮膚黒色症ではNRAS遺伝子変異により髄膜メラノサイトが異常増殖し,予後は不良である.

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