特集 他科の視点・診療連携の観点でみる 母斑・母斑症Ⅰ
疾患別の概説――診療連携の視点を含めて
6.オスラー病
秋山 武紀
1
1慶應義塾大学医学部脳神経外科
pp.268-275
発行日 2025年3月1日
Published Date 2025/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003389
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オスラー病は,遺伝性出血性毛細血管拡張症(HHT)の通称で,鼻出血と口唇・手指などの毛細血管拡張,および肺・脳など臓器の血管奇形を特徴とする遺伝疾患である.本疾患の認知度はいまだ十分でなく,多くの患者が未診断のまま適切な対応がなされていない現状がある.小児期には,鼻出血や毛細血管拡張といった典型的なHHTの症候を示さないことも多く,臨床症状による診断は容易ではない.しかし,HHTの診断が不十分な場合に脳出血・脳梗塞など重篤な症候を呈する可能性があり,本疾患に対する適切な知識とその対応は重要である.本稿では,オスラー病の疾患概念とその臨床症状を概説し,小児診療における注意点について述べる.

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