特集 他科の視点・診療連携の観点でみる 母斑・母斑症Ⅰ
総論
1.母斑症診療の包括的かつ多角的な診療に向けて
-――多診療科連携と分子標的薬による治療戦略
武内 俊樹
1
1岡山大学学術研究院医歯薬学域小児発達病因病態学分野
pp.227-231
発行日 2025年3月1日
Published Date 2025/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003384
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中枢神経と皮膚に病変を生じる神経皮膚症候群は,皮膚の症状によって気づかれやすい.そのため,古くから「母斑症」として知られており,現在の日常診療でも遭遇する機会も多い.近年の分子遺伝学の進歩により,母斑症の各疾患の病態が明らかになるにつれて,治療や診療のアプローチが大きく変化してきている.とくに,神経線維腫症1型や結節性硬化症などでは,分子標的薬の出現によって,疾患の発症原理に基づいた根本的な治療が可能になった.それに伴い,これまで以上に分子遺伝学的な診断と多診療科連携が重要になってきている.
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