特集 小児眼科診療マニュアル—私はこうしている
全身異常を伴う場合のCureとCare
母斑症
桐渕 和子
1
1東京女子医大眼科
pp.1653-1656
発行日 1990年9月30日
Published Date 1990/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410900402
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母斑症とは
母斑症は胎生早期の胎芽の異常により諸臓器に過形成性奇形hyperplastic malformationを生じ多彩な全身症状を呈する遺伝性疾患である。皮膚のみならず神経系と眼を好んで冒すために古くから眼科医も深くかかわってきた。
1923年,眼科医van der Hoeveは結節性硬化症とvon Recklinghausen病の2疾患を総称して皮膚の小斑点phakos (ギリシャ語)を特徴とする母斑症Phakomatosisと命名した。1932年にはvon Hippel-Lindau病を第3の母斑症に,1936年にはSturge-Weber病を第4の母斑症に加え,以後母斑症の概念は広く受けいれられてきた。
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