特集 疼痛管理
疼痛管理のための多角的評価
玉川 隆生
1
,
井関 雅子
1
Takao Tamagawa
1
1順天堂大学医学部麻酔科学・ペインクリニック講座
キーワード:
疼痛
,
多角的
,
評価
,
質問票
Keyword:
疼痛
,
多角的
,
評価
,
質問票
pp.609-617
発行日 2018年7月15日
Published Date 2018/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201242
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
疼痛管理を行う際,痛みを適切に評価することは非常に重要である.痛みの評価に最も簡便なのは,患者自身に痛みの程度を申告してもらい,スコアやスケールで評価することであり,従来行われていると思われる.しかし近年では,特に慢性痛に対しては,痛みそのものだけではなく,QOLや心理社会的な要素など,痛みを多角的に評価することも重要と考えられており,さまざまな質問票が活用されている.また,治療の目標も,単純に痛みの強度を低下させることだけではなく,QOLの維持・向上へと向けられるようになっている.それらの目標を達成するために,各種の質問票を用いて患者の症状を多角的に評価し,運動療法が必要なのか,心理的なアプローチが必要なのか,侵襲的な治療や投薬による治療が必要なのかを検討する必要がある.ここでは質問票を用いて,疼痛の強度以外にその性質や,日常生活・心理社会的要因への影響など,さまざまな面から疼痛評価を行う方法について述べる.
Copyright © 2018, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.