特集 正しく指示する 子どもの栄養・病気のときの食事指導Ⅱ
3.小児炎症性腸疾患
-――クローン病と潰瘍性大腸炎
清水 泰岳
1
1国立成育医療研究センター消化器科・小児炎症性腸疾患センター
pp.1452-1457
発行日 2024年12月1日
Published Date 2024/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003295
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小児IBDは,クローン病(CD)と潰瘍性大腸炎(UC)に大別される.CDでは完全経腸栄養療法が寛解導入療法の第一選択として推奨され,2~4週間の実施で高い効果が得られる.寛解維持には必要エネルギーの25~50%を経腸栄養剤で補う部分経腸栄養療法が推奨される.食事面では脂質制限が基本だが,n-3系脂肪酸やMCTには利点もある.一方,UCでは活動期にはCDに準じた食事制限を行うが,寛解期は厳密な制限を要さない.いずれも栄養状態の維持・改善と成長発達の促進が重要で,患者のQOLに配慮しながら多職種で支援することが望まれる.近年,特定食品を除外したCD除去食の有効性も報告されている.
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