特集 分子標的薬を極める
各論
炎症性腸疾患 クローン病
清水 泰岳
1
SHIMIZU Hirotaka
1
1国立成育医療研究センター消化器科・小児IBDセンター
pp.251-256
発行日 2023年2月1日
Published Date 2023/2/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000769
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はじめに
従来,クローン病(CD)は栄養療法とステロイド,免疫調節薬が治療の中心であったが,2002年にクローン病に対する生物学的製剤としては初めてインフリキシマブ(レミケード®)が,中等度から重度の活動期クローン病の治療および維持療法に対して保険適用となると,その高い寛解導入・維持効果やステロイド減量効果,痔瘻閉鎖効果が報告され,まさにクローン病の治療にパラダイムシフトがもたらされた。それ以降,アダリムマブ(ヒュミラ®),ウステキヌマブ(ステラーラ®),ベドリズマブ(エンタイビオ®)と新規の生物学的薬剤が次々に保険適用になり,クローン病の治療選択肢は大幅に広がってきている(表)。本稿では,日本で成人のクローン病に保険適用のある分子標的薬を中心に概説する。
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