特集 炎症性腸疾患と類縁疾患
5.炎症性腸疾患の外科治療
佐藤 友紀
1,2
,
大北 喜基
1,2
,
東 浩輝
1,2
,
長野 由佳
1,2
,
松下 航平
1,2
,
小池 勇樹
1,2
,
問山 裕二
1,2
1三重大学医学部附属病院消化管・小児外科
2三重大学大学院医学系研究科消化管・小児外科学
pp.658-664
発行日 2024年7月1日
Published Date 2024/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003078
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内科治療の進歩により潰瘍性大腸炎,クローン病ともに手術率は減少傾向にあるが,依然として外科治療の役割は大きい.小児炎症性腸疾患に対する治療のゴールは患児に正常発育とquality of lifeの改善をもたらすことである.小児潰瘍性大腸炎では,重症例や難治例が多く,外科治療の要否を早期に判断することが重要である.クローン病では最小限の切除により短腸症候群を防ぎ,長期予後の向上に寄与する.成長期の小児で適切な内科治療で改善しない成長障害は術後のcatch upを考慮し,思春期発来前,または骨端線閉鎖前の手術が推奨される.適切なタイミングで手術が可能となるよう小児炎症性腸疾患に精通する外科医と小児科医が連携を図ることも大切である.
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