特集 炎症性腸疾患と類縁疾患
6.炎症性腸疾患診療における内視鏡検査
岩間 達
1
1埼玉県立小児医療センター消化器・肝臓科
pp.665-671
発行日 2024年7月1日
Published Date 2024/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003079
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小児の炎症性腸疾患診療において内視鏡検査は必要不可欠である.一方で検査を安全かつ負担の少ないものとするために検査の適応,鎮静法,スコープの選択に加え,内視鏡医の選択,鎮静や全身管理を担当する小児科医や麻酔科医の確保など,多岐にわたる準備が必要である.現在市販されている内視鏡を用いることで上部と下部の消化管内視鏡は全年齢,いかなる体重の小児でも検査が可能である.また小腸を検索・治療するカプセル内視鏡は体重10kg以上,バルーン内視鏡は体重20kg以上あれば施行可能である.このように,小児の内視鏡検査には越えなければならないいくつかの障壁が存在することは間違いない.しかし,そういった障壁を乗り越え,炎症性腸疾患に苦しむ子どもたちに少しでも苦痛や不安の少ない内視鏡診療を提供することが,この先のわが国の炎症性腸疾患診療の発展につながると思われる.
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