特集 教科書にない小児外科疾患の最新情報―国内外の文献・ガイドラインから―
小児における潰瘍性大腸炎・Crohn病のup to date
小池 勇樹
1
,
内田 恵一
2
,
東 浩輝
1
,
佐藤 友紀
1
,
長野 由佳
1
,
松下 航平
1
,
大北 喜基
1
,
問山 裕二
1
Yuhki Koike
1
,
Keiichi Uchida
2
,
Koki Higashi
1
,
Yuhki Sato
1
,
Yuka Nagano
1
,
Kohei Matsushita
1
,
Yoshiki Okita
1
,
Yuji Toiyama
1
1三重大学医学部附属病院消化管・小児外科
2三重県立総合医療センター小児外科
pp.594-599
発行日 2024年6月25日
Published Date 2024/6/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000846
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はじめに
炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease:IBD)は,下痢,腹痛,血便などを主訴とし,消化管に慢性炎症がみられる疾患である1)。主に潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis:UC)とCrohn病(Crohn’s disease:CD)に分類されるが,小児期発症のIBDは,UCやCDの診断基準を満たせないことで確定診断に至らず,分類不能型IBD(IBD unclassified:IBD-U)と診断されることがある2)。さらに近年,6歳未満で発症する超早期発症型IBD(very early onset IBD:VEO-IBD)のなかには,IBD特有の消化器症状のみならず,単一遺伝子疾患として免疫不全症などの基礎疾患を有する場合があることが明らかになってきており,診断と治療において特に注意が必要である。
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