特集 炎症性腸疾患と類縁疾患
1.潰瘍性大腸炎
垣内 俊彦
1
1佐賀大学医学部小児科
pp.631-639
発行日 2024年7月1日
Published Date 2024/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003074
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潰瘍性大腸炎(UC)は,大腸にびらんや潰瘍を形成する非特異的炎症を主な病態とする疾患で,症状は,持続または反復する血便である.血液や便検査では診断できず,確定診断のためには大腸内視鏡検査が必須であるが,小児では侵襲度が高く,実施の判断に苦慮する.わが国独自の小児UCの診断基準や診断手順は存在せず,成人用や海外の小児基準に従い診断していく.UCの疑いがあれば便中カルプロテクチンの上昇を確認し,上・下部内視鏡検査を実施する.治療は小児UC治療指針に従い臨床的評価と小児用活動性指標に基づいて決定する.心理的サポートなど多職種での見守りが患児のQOLの向上や良好なアドヒアランスには不可欠である.
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