綜説
原発性免疫不全症の診断と感染予防
-――マススクリーニングの導入にあたって
西川 拓朗
1
1鹿児島大学大学院医歯学総合研究科小児科学分野
pp.460-466
発行日 2024年5月1日
Published Date 2024/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003022
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原発性免疫不全症(PID)は,免疫系分子の遺伝子異常によって引き起こされる疾患である.診断は,問診・診察で “PIDを疑う10の徴候” を用いて疑い,各病院の特性に応じた検査を行なっていく.また,重症複合免疫不全症とB細胞欠損症の拡大新生児スクリーニング検査が日本でも開始され,現在40の都道府県で導入されている.早期の診断・予防・治療が行われることで,治療成績やQOLが向上することが期待される.感染予防は,抗微生物薬,低γグロブリン血症に対する免疫グロブリン補充療法,予防接種などがある.抗微生物薬は,疾患により使い分ける.予防接種も疾患により,禁忌から強く接種推奨するものまであることを認識する必要がある.
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