[連載] 最近の外国業績より
血液
日本医科大学小児科学教室
pp.506-509
発行日 2024年5月1日
Published Date 2024/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003031
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背 景 骨髄転移の正確な検出は小児の病期分類に重要である.主に核医学,MRI,FDG-PET/CTで転移の評価を行うが,被曝の少なさではMRIに利点がある.また成人骨髄は一般的に脂肪変性を起こしているためMRIで骨髄転移を検出しやすいが,小児骨髄は造血細胞が多く検出困難だった.フェルモキシトールは米国FDAが貧血治療の鉄剤として承認した超常磁性酸化鉄ナノ粒子のコロイド溶液である.これをMRI撮影時に用いると粒子がマクロファージに貪食され,T2強調MRIで正常細網内皮系(RES)組織の暗色造影強調を引き起こす.腫瘍病変は粒子をほとんど取り込まず腫瘍と正常組織のコントラストが増大し,腫瘍の検出が容易になる.骨髄もRES組織であるためフェルモキシトール強調MRI(強調MRI)による病変検出確率の向上が期待できる.MRIのなかでも骨髄転移の検出感度が高いと報告されている拡散強調MRIにおいて,フェルモキシトールの使用によりより明確に画像評価することができるかを検討した.
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